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ネヘミヤ記  1章1~11節 [ネヘミヤ記]

<どうか、あなたの僕モーセにこう戒められたことを思い起して下さい。(8節)>

「ペルシャの王アルタクセルクセスの献酌官であったネヘミヤは、兄弟ハナニからエルサレムの現状を聞きました。初代王キュロスによって神殿再建が命じられてから数十年が経過していたにも関わらず「エルサレムの城壁は打ち破られ、城門は焼け落ちたまま」という有様でした。」と高多牧師は書きだされる。

王の献酌官ネヘミヤも、捕囚となってバビロンに連れて来られたイスラエルの民の子孫であった。彼は父祖から語り継げられている故郷のこと、都エルサレムのことは片時も忘れたことはなかった。「献酌官」とは、王の毒見役であることから、彼は王からの信頼の厚い人物であったことが分かる。そのネヘミヤのもとに兄弟ハナニが来て、ユダの人々についてまたエルサレムについてネヘミヤに語った。

彼らは「捕囚の生き残りで、この州に残っている人々は、大きな不幸の中にあって、恥辱を受けています。エルサレムの城壁は打ち破られ、城門は焼け落ちたままです。(3節)」と話した。

これを聞いたネヘミヤは、座り込んで泣き、幾日も嘆き、食を断ち、天にいます神に祈りを献げた。「あなたの僕の祈りをお聞き下さい。あなたの僕であるイスラエルの人々のために、今私は昼も夜も祈り、イスラエルの人々の罪を告白します。私達は罪を犯しました。私も私の父の家も罪を犯しました。あなたに反抗し、あなたの僕モーセにお与えになった戒めと掟と法を守りませんでした。」と祈った。

故郷の乱れ、エルサレムの荒れ放題の状態こそ、イスラエルの人々の中にある問題であった。イスラエルの神との交わりが疎かになっていることから、引き起こされた事ですと祈った。乱れが故郷の人々の群れの中から、また群れの外からも忍び込んできて、この壊滅的な状態になってしまったのですと。

彼は居場所こそ遠く離れているが、イスラエルの人々共に、悲しみや苦しみを共にするために祈った。嘆いたままでなく、祈りによって人々の神との交わりの回復を真直ぐに神に願い求めた。「おお、天にいます神、主よ、偉大にして畏るべき神よ、主を愛し、主の戒めを守る者に対しては、契約を守り、慈しみを注いで下さる神よ。耳を傾け、目を開き、あなたの僕の祈りをお聞き下さい。」と。

しかし、あなたは主に背を向け、戒めを守らない者を、諸国の民の中に散らすお方です。けれども、あなたに立ち帰り、その戒めを守り、行うならば、天の果てまで追いやられている者であっても、「主は彼らを集めて、ご自身が選んだ場所に再び連れ戻して下さいます。」と祈った。

神の約束の確かさは揺らぐことがない。それは数千年を経た今も変わる事がない。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「くものしたを雲が流れてゆくさまを赤信号のあひだ見ており 白石瑞紀」



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