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エズラ記  7~8章  [エズラ記]

<「エズラよ、委ねられた神の知恵によってあなたは治める者と裁く者を任命して、ユーフラテス西方の全ての民、あなたの神の律法を知る全てのものを治めさせ、律法を知らない者にはあなたたちは教えをさずけよ。」(25節)>

ゼルバベルが主導した神殿再建が完成したのはBC515年。そして大祭司アロンを先祖に持つエズラが主導してエルサレムに帰還するのが458年。1~6章はゼルバベルの事であったが、ここからはエズラ自身が体験した事に入る。彼は最初に自分がアロンの末裔であることを系図によって証明する。

エズラを主導とするエルサレム帰還は、神殿増築やいけにえ調達の目的があったが、それ以上に律法を教えるという目的が課せられていた。祭司エズラはモーセの律法に通じる学者でもあった。バビロン捕囚以後のイスラエルで特徴的な事は、この律法を教える学者の存在であった。

神によってユダの地から引き抜かれ全てを失ったイスラエル人が、再び神によって植えられる時、全面的に最初からイスラエル人としての土台作りをしなければならなかった。律法を知らない民に律法を教える事により、その改革を進めようとした。

エズラの一団は約4か月かけてエルサレムに帰還した。旅の初めに断食を呼びかけ「私たちのため、幼い子らのため、また持ち物のために旅の無事を祈った。」 旅の安全については、「私たちの神を尋ね求める者には、恵み溢れるそのみ手が差し伸べられ、神を見捨てる者には必ず激しい怒りが下ります」と、エズラは王に言っていたので、騎兵を求める事を恥とした。祈りは聞き入れられた。

祭司長の中から12人が選ばれ、王とその顧問、高官たちおよび居合わせた全てのイスラエル人が神殿への礼物としてささげた金銀、祭具が量られ彼らに託された。「あなた達は主にささげられた聖なる人々です。この祭具も聖なる物で、この金銀も、あなたたちの先祖の神、主にささげられる随意の献げ物です。(28節)」と、エズラは言った。

エズラは祈りを呼びかけ、かつ守る人々を選び、また祈っていた。主のみ手が私の上にあるという言葉はこの日常の営みから来ていた。祈り、そして祈りに基づいて行動し、一歩一歩神を意識しながら、歩みを進めた。神殿の祭具は数にも量にも間違いはなく旅を終え記録された。

「捕らわれの地から帰って来た捕囚の子らは、イスラエルの神に焼き尽くす献げ物をささげた。」 2500年も前の旅はどんなに苛酷だったろうか、追剥や、猛獣、雨や風、病気や怪我もあっただろう。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「芸なしの犬老いやすくのろのろとついてくるだけそれだけでいい 黒田泰雄」


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