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列王記上 3章3~15節 [列王記]

<わたしはまた、あなたの求めなかったもの、富と栄光も与える。生涯にわたってあなたと肩を並べうる王は一人もいない。(13節)>

「ある夜、神様がソロモンの夢に現れました。『何事でも願うがいい』。ソロモンが願ったのは、善悪を判断する『聞き分ける心』でした。神様はそれをお喜びになり、『知恵に満ちた賢明な心』だけでなく、富と栄光、長寿も約束されます。」と宮本牧師は書きだされる。

ソロモンの治世はエジプトの王ファラオの娘を妻とすることから始まった。しかし、異教徒との結婚は主なる神から離れるとして禁じられていたが、これは政略結婚であって、この結婚によってエジプトとの和平条約が結ばれた。この時はまだ主を礼拝するための神殿がなかったので、ソロモンは「聖なる高台」でいけにえを献げた。

更に、王はいけにえを献げるためにエルサレムから12キロ離れた最も重要な聖なる高台があるギブオンに行った。そこでソロモンは主の祭壇の上に、ソロモンの神への愛と献身を表すため、千頭の焼き尽くすいけにえを献げた。その夜、主がギブオンでソロモンに主ご自身を現わされ「何事でも願うがよい。あなたに与えよう。(5節)」と言われた。

ソロモンは、自分がこのように王になったのは、父ダビデに与えられた主の恵みによるものであると答えた。そして「わが神、主よ、あなたは父ダビデに代わる王として、この僕をお立てになりました。しかし、私は取るに足らない若者で、どのように振舞うべきかを知りません。僕はあなたのお選びになった民の中にいますが、その民は多く、数える事も調べる事も出来ないほどです。(7.8節)」と言った。

「主はソロモンのこの願いをお喜びになった(10節)」彼が自分のために長寿や富を願わず、敵の命さえも願わず、むしろ自分のために正しい訴えを聞き分ける判断力を願ったので主は喜ばれ、彼の願いを受け入れられ、知恵に満ちた賢明な心を与えられた。その上、彼が願わなかった富と栄光も与えると約束された。

「ソロモンはエルサレムに帰り、主の契約の箱の前に立って、焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげ、家臣の全てを招いて宴を張った。(15節)」

S牧師は「主から御心を示され、ソロモンは霊的に強められ、献身度が高められました。彼がその前に立つ契約の箱は、主の臨在の象徴で、ソロモンは主の家エルサレムで主の前で礼拝をささげたのです。礼拝する中でソロモンの信仰が強められていきます。」と話された。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「父母も夫も知らざりし九十歳(キュウジュウ)の後半を生きるひとりとなりて 青井せつ子」


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列王記上 2章1~12節 [列王記]

<あなたの神、主の務めを守ってその道を歩み、モーセの律法に記されている通り、主の戒めと法と定めを守れ。そうすればあなたは何を行っても、どこに向かっても、良い成果を上げることができる。(3節)>

「ダビデ王のソロモンへの遺言が『戒め』として語られています。『道』という言葉を用いて、『主の務め』『モーセの律法』『主の掟』を守るよう命じます。ダビデ自身は律法を完璧に守れた人ではありません。自分の罪を強く自覚していたからこそ、自分の教えではなく、『主の道』を歩むことを伝えたのでしょう。」と宮本牧師は書きだされる。

死期が近づいたダビテは王子ソロモンに戒めを語る。その内容は先ず力強くあれと、若く経験も浅いソロモンを力づける言葉であった。次に語られたのはモーセの律法に沿って、主の道に歩むことを命じ、それはソロモンが何をしてもどこに向かっても、よい成果を上げ、栄えるためであった。

「あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に後を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。この者がわたしの名のために家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえに堅く据える。(サムエル記下7章)」

ダビデの家系からメシアが出ることはこの契約によって保証された。ソロモンにはモーセの律法に従う責務が与えられる。新約の時代に生きる私たちには「互いに愛し合いなさい。わたしがあなた方を愛したように、あなた方も互いに愛し合いなさい」と、主イエスからキリストの律法が与えられている。キリストに愛され、罪赦された者として、その愛に応え、新しい戒めを守り行う者として歩まねばならない。

ダビデの遺言は続く。バルジライの息子らには「あなたの食卓に連なる者とせよ」と命じる。しかし、ヨアブについては「安らかに陰府に下ることを許してはならない。」と命じ、シムイについては「あの白髪を血に染めて陰府に送り込まなければならない。」と、厳しく命じる。彼らを野放しにすればソロモンによって継がれる王国が危険に曝される恐れがあったからである。

ソロモンはダビデからの遺言を受けた。彼は統治の最初から、神の知恵を聞き分ける心が備えられた。

O牧師は「ダビデは死んで『ダビデの町(エルサレム)』に葬られます。ダビデは40年間王としてイスラエルを治めた。彼は恐ろしい罪を犯しましたが基本的には神に忠実に歩みました。私たちも罪深い者ですが、主の目に適う道を歩む一生でありたいと老います。」と話された。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「潮騒の聞こえてをりぬ灯台の宿舎跡には浜大根咲く 上田喜朗」

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列王記上 21章1~16節 [列王記]

<ならず者も二人来てナボトに向かって座った。ならず者たちは民の前でナボトに対して証言し、「ナボトは神と王を呪った」と言った。人々は彼を町の外に引き出し、石で打ち殺した。(13節)>

「今日は『第九戒 あなたは隣人に関して偽りの証言をしてはならない。』です。『偽りの証言』という言葉は法廷用語、裁判で用いられる言葉です。けれど、裁判と聞くと自分の日常生活から遠いものだと思ってしまいます。」とK牧師は話し始められた。

サマリアの王アハブは宮殿の隣にある豊かなぶどう畑を手に入れようとするが、持ち主ナボトにとっては先祖からの大事な畑で手放すことは出来ないと断られる。そこで、2人の偽証人を立て、ナボトが神と王とを呪ったという偽りの証言によって、ナボトを石で打ち殺した。

法廷での偽証の最たるものは、主イエスの裁判である。「すると、数人の者が立ち上がって、イエスに不利な偽証をした。『この男が「私は人間の手で造ったこの神殿を打ち倒し、三日あれば、手で造らない別の神殿を建てて見せる」と言うのを、私たちは聞きました』しかし、この場合も食い違っていた。(マルコ書14章)」

大祭司は進み出てイエスに尋ねた。「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか。」黙り続けられるイエスに大祭司は重ねて尋ね「お前はほむべき方の子、メシアなのか」イエスは言われた。「そうです。あなたたちは、人の子が全能の神の右に座り、天の雲に囲まれているのを見る」・・・主イエスの裁判は偽証によって勧められ、死刑の判決が下された。

「ハイデルベルグ信仰問答」は、第九戒の「偽証」を法廷だけでなく、日常生活で隣人に向かって語る言葉も含めると説く。「言葉を曲げる」「陰口」「悪口」「虚言」「虚偽」それらは悪魔の業なのだと説き、それらは日常の何気ない言葉に潜むと説く。それが「あなたは隣人に関して偽証してはならない」のだと解釈されている。

ヤコブの手紙3章では、日々の生活において罪を犯すのは「舌」だと記される。一方で父である主を賛美し、他方で神に象って造られた人間を呪う。「同じ口から賛美と呪いが出てくるのです。わたしの兄弟たち、このようなことがあってはなりません」と、教会に向かって警告する。

神は言葉で語りかけて下さり、私どもは言葉でお答えする。神に象って造られた隣人同士は言葉を交わし、交わりを楽しんでいる。しかし、その言葉で父である神を賛美し、同時に隣人を呪っていないかとヤコブは問いかけている。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「大いなる日傘のように雲は来て黙祷の間に過ぎゆきにけり 丸山恵子」


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