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ダニエル書 5章13~30節 [ダニエル書]

<さて、ペルシャツァル王よ、あなたはその王子で、これらの事をよくご存じの上で、なお、へりくだろうとはなさらなかった。(22節)>

「突然、人の手の指が現れて、壁に文字が書かれているのを見たペルシャツァル王は、恐怖で震えながらこの文字を解き明かしてくれる人を求め、ダニエルはその文字を解き明かしました。そこに記されていたのは、王とそして王国に対する裁きの言葉だったのです。」と鍋谷牧師は書きだされる。

ダニエルは「見る事も聞く事もできず、何も知らないその神々をあなたは褒め称えているが、あなたの命と行動の一切を手中に握っておられる神を敬おうともなさらない。そのために神は、あの手を遣わして文字を書かせたのです。」と、ペルシャツァル王に告げると「書かれた文字はこうです」と言った。

書かれた文字は「メネ(数える)、テケル(計る)、バルシン(分ける)」であり、「神はあなたの治世を数えて、それを終わらせられたのです。あなたは秤にかけられ、不足と見られました。あなたの王国は、二分されて、メディアとペルシャに与えられるのです。」と、壁の文字を解いた。

これを聞いたペルシャツァル王は、ダニエルに紫の衣を着せ、金の鎖をその首にかけるように命じ、王国を治める者のうち第三の位を彼に与えるという布告を出した。「その同じ夜、カルデア人の王ペルシャツァルは殺された。(30節)」と、5章は結ぶ。

この出来事にO牧師は「この物語が実際は、シリアのアンティオコス4世(BC175~163年在位)に向けて語られたものだと思います。彼はユダヤに対して圧政をもって臨み、エルサレムを破壊し、多くの敵対者を処刑しました。これに対してユダはアンティオコス4世の軍を撃破するなど各地で奮闘しました。この事に怒ったアンティオコス4世はさらに軍を進めますが、その途上で急死したのです。」と話された。

その出来事が記される「マカバイ書」には、「アンティオコス4世は、神殿の金銀を奪うという、神に対する冒涜行為を犯した。アンティオコス4世の時は数えられ、王として相応しくないと計られ、彼の王国は他の者に分配される。」というこの箇所に似たメッセージが記されていると紹介された。

「歴史における裁きは自らを神と考えるようになった者の上に最も激しくふりかかる」と言われている。ローマ皇帝の65%の死は暗殺や自殺である。「人の上に立ちたい者は支配するのではなく、仕えなさい」と、主イエスは話されている。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「老衰の入り口ですなあと括りたり引継ぎカルテを主治医は閉じて 広瀬明子」


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ダニエル書 5章1~12節 [ダニエル書]

<その時、人の手の指が現れて、ともし火に照らされている王宮の白い壁に文字を書き始めた。王は書き進むその手先を見た。王は恐怖にかられて顔色が変わり、腰が抜け、膝が震えた。(5.6節)>

「時代が進み、ネブカドネツァル王から、その息子ペルシャツァル王の治世となりました。彼もまたバビロンの繁栄に慢心して、神の前に傲慢な生活を送りました。」と鍋谷牧師は書きだされる。

ペルシャツァルが酒宴を催している時、神の指が現れ帝国の滅亡が預言される。歴史的にはバビロン帝国は紀元前539年、メディア・ペルシャ連合軍の侵略によって滅ぶことになる。ペルシャツァル王は酒宴の戯れに、先王ネブカドネツァルがエルサレム神殿から略奪して来た聖具で酒を飲んでいた。

「王や貴族、後宮の女たちがそれで酒を飲みながら、彼らは金や銀、青銅、鉄、木や石などで造った神々を褒め称えた。(4節)」 神殿の聖具で酒を飲むことはユダヤ人には許し難い冒涜だった。しかし、ペルシャツァル王にとっては単なる戯れであった。

その時、人の手の指が現れて、王宮の白い壁に文字を書き始めた。恐怖に震えた王は大声をあげ、祈祷師、賢者、星占い師などを連れて来させ「この字を読み、解釈してくれる者には、紫の衣を着せ、金の鎖を首にかけて、王国の第三の位を与えよう」と言った。しかし、誰もその字を読むことができなかった。恐怖にかられた王の顔色は変わり、貴族も皆途方に暮れた。

そんな中、王妃が来て、聖なる神の霊を宿しているダニエルを召すようにと進言した。王の前に召し出されたダニエルはすでに80歳を越えていた。王は彼に「父王がユダから捕らえ帰ったユダヤ人の一人ダニエルと言うのはお前か」と尋ねた。ダニエルへの敬愛が感じられない王の言葉、酒の匂いのする宴席、散らかった食器に混じる神の聖具。ダニエルの心痛はどんなだったろうか。

王はダニエルが「神々」の霊を宿していると間違った事を言い、この文字を読み解釋できたら、褒美を出すと役人たちに言ったように言った。ダニエルは「贈り物など不要でございます」と言うと、父王ネブカドネツァルは神に王国と権勢と威光を与えられた。しかし彼は、傲慢になり尊大に振舞ったので王位を追われ、栄光は奪われたと言った。

そして「さて、ペルシャツァル王よ、あなたはその王子で、これらの事をよくご存じでありながら、なお、遜ろうとはなさらなかった。」と言った。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「路地裏に小さき水の帯がある道が曲がれば水路も曲がる 藤田千鶴」


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ダニエル書 4章16~34節 [ダニエル書]

<すべて地に住む者は無に等しい。天の軍勢をも御旨のままにされる。その手を押さえて、何をするのかと言いうる者は誰もいない。(32節)>

「ネブカドネツァル王はとても不思議な1本の大きな木の夢を見ました。この夢は王にとって悲しい知らせでありました。この大きな木は王本人の事を表し、やがてそれが切り倒される事、すなわち王がその傲慢さのゆえに人間の社会から追放され、時が来るまで野の獣のような生活をするようになることが意味されていたからです。」と鍋谷牧師は書きだされる。

4章は、ネブカドネツァル王自身の手紙である。手紙の宛先は彼が支配していたあらゆる民族、国々、国語の者達である。王は手紙を通して全世界に、イスラエルの神がいかに偉大であるかを証言する。彼は強大な国の王であるにも関わらず、「永遠にわたる国、その主権は代々限りなく続く」と、神の国を称える。

4章は「わたしネブカドネツァルは、健康に恵まれ、王宮で心安らかに過ごしていた。」と始まる。2章で夢を見たのは、彼が統治を初めて間もなく、不安の中にいる時に神が示された夢であった。そして、金の像は、彼が力をもって国を平定しようとしていた中期の頃である。時が過ぎ、夢を見た今は、政治的、軍事的不安定要因は消え、繁栄するバビロンの栄華の中に王は心安らかに過ごしていた。

王はバビロンの知者全員を招集し、夢の解釈を求めたが彼らは出来なかった。最後にきたダニエルに王は夢の話をした。「大地に生えた木が天に届く高さ、地の果てから見える大きさに成長した。歯は美しく実は実り、すべてを養った。野の獣は宿り、鳥は巣を造り、生き物は皆食べ物を得た。しかし、天使が下りきて大声でこの木を切り倒せと呼ばわった。」

「鉄と青銅の鎖がかけられた木は野に置かれ、草を食べ、獣の心に変わった。七つの時が過ぎるまで宣告は天使らにより『人間の王国を支配するのはいと高き神であり、この神はみ旨のままにそれを誰にでも与え、また最も卑しい人をその上に立てる事もできるという事を、知らせるためである。』と決議された。」 お前には聖なる神の霊が宿る、この夢の説き明かしをしてほしいと言った。

ダニエルは「その木はあなたご自身です」と言った。そして「王様、どうぞ私の忠告をお受けになり、罪を悔いて施しを行い、悪を改めて貧しい人に恵みをお与えになって下さい。そうすれば、引き続き繫栄されるでしょう。」と言った。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「海の無言、空の無言のせめぎあう高さを飛んでマガンは北へ 田村穂隆」

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ダニエル書 3章19~30節 [ダニエル書]

<ネブカドネツァル王は言った。「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をたたえよ。彼らは王の命令に背き、体を犠牲にしても自分の神に依り頼み、自分の神以外にはいかなる神にも仕えず、拝もうともしなかったので、この僕たちを、神はみ使いを送って救われた。」(28節)>

「金の像を拝まない。ときっぱり断る3人に王は激しく怒り、炎が噴き出るほどに燃え盛る炉の中に3人を投げ入れさせました。まもなく王は驚いて『4人の者が火の中を自由に歩いているのが見える。そして何の被害も受けていない。それに4人目の者は神の子のような姿をしている(25節)』と言いました。」と鍋谷牧師は書きだされる。

3人は、もし神が火の燃え盛る炉の中から救い出して下さらなくても、絶対に拝まないと決意を表した。王は血相を変えて怒り、炉をいつもの七倍も熱く燃やすように命じると3人を縛り上げ燃え盛る火の中に投げ込んだ。噴き出る炎は3人を投げ込んだ男たちを焼き殺した。そして3人は縛られたまま燃え盛る火の中に落ち込んでいった。

「まもなく王は驚きの色を見せ、急に立ち上がり」、あの3人は縛ったまま炉に投げ込んだのではなかったのかと聞くと、4人の者が火の中を自由に歩き、4人目の者は神の子のような姿をしていると言った。王は炉の口に近づいて「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、いと高き神に仕える人々よ、出て来なさい。」と言った。

王の高官たちが3人を調べたが「火はその体を損なわず、髪の毛も焦げておらず、上着も元のままで火の匂いすらなかった。(27節)」

王は「3人が自分の神以外のいかなる神にも仕えず、拝もうともしなかったので、この僕たちを神は御使いを送って救われた。」と言うと、「わたしは命令する。いかなる国、民族、言語に属する者も、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をののしる者があれば、その体は八つ裂きにされ、その家は破壊される。まことに人間をこのように救う事のできる神はほかにない。(29節)」と言った。

バビロンにあって真の神を主とする信仰が公認された。臆せず信仰の態度を明確にする者は、最初はどうであっても、その信仰が正しいものだと周囲に理解されるのである。シャドラク、メシャク、アベド・ネゴは信仰告白を言葉と行いによって貫いた。あいまいにせず、弱腰にならず、決然たる態度で選ぶべき神を選び取った。

1940年、日本の神社参拝強要に抵抗した朝鮮人キリスト者安利淑は、「たといそうでなくとも」というタイトルの本を出版。日本の神社崇拝に立ち向かい投獄され、日本敗戦まで死刑宣告の中にあった。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「夫と娘と孫まで入れてスーパーへアビーロードみたいに歩く 石井久美子」


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ダニエル書 3章1~18節 [ダニエル書]

<そうでなくとも、ご承知ください。わたしたちは王様の神々に仕える事も、お建てになった金の像を拝むことも、決していたしません。」(18節)>

「ネブカドネツァル王は1つの金の像を造り、それを拝むことを命じました。その命令に反した者は『燃え盛る炉に投げ込まれる』罰を受けます。しかし、ダニエルと共に捕囚されたシャドラク、メシャク、アベドはその命令に従わず、金の像を拝みませんでした。」と鍋谷牧師は書きだされる。

1章から推理すると、ヨヤキム王(609~598年在位)即位から3年目にバビロン王ネブカドネツァルがエルサレムを包囲し、イスラエル貴族の中から、体に難点がなく、容姿が美しく、才能と能力のある少年を選んで3年間養成しバビロン王のもとに仕えさせたとある。その少年たちの中にこの4人はいた。ダニエル書は先日まで学んでいたエレミヤ書、エゼキエル書より前の話になる。

2章では、ネブカドネツァル王の前に進み出てダニエルは「王が見た夢は、これからの世界の歴史の中で興される帝国の姿を示す像です」と言い、それらの国を打ち壊し、永遠に滅びる事のない国が興される事を告げていると、夢の解き明かしをした。ダニエルの明解な説き明かしに王は喜び、ダニエルを側近に置き、ダニエルと共にいた3人をバビロン州の行政官に任命した。

3章でネブカドネツァル王は見上げるほどの巨大な像を造ってそれを拝むことをすべての国民に強要し、音楽が聞こえたらこの金の像にひれ伏すように命じた。その時、ユダヤ人を中傷しようとする者が「ユダヤ人の3人の行政官らは王の命令を無視しています」と訴え出た。怒りに燃えた王によって3人は王の前に引きずり出された。

王は彼らがダニエル同様優れた人材である事を知っていた。そこで「金の像を拝まないというのは本当か・・・もし、私の建てた金の像を拝むつもりでいるなら、それでもよい」と言った。しかし、彼らの言葉、原文では「私たちの態度は決まっています。王様が何と言おうと」と言った。彼らはネブカドネツァル王を恐れていない。彼らが恐れているのは真の神、天地万物の創造者なる神である。

「ここで注目したいのは『そうでなくとも』という言葉です。ここに神中心の信仰があります。彼らは、たとえ燃え盛る炉から救われなくても、神のなさることはすべて善しとして、どこまでも信頼して揺るがないのです。」と、鍋谷牧師は結ばれる。

先日の礼拝説教は三度否んだすえ逃げ出したペトロの背信だった。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「生きがいはなくても生きてゆけるわと友はつぶやく猫をなでつつ 黒沢梓」


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