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ヨナ書  3章1~10節 [ヨナ書]

<するとニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者も低い者も粗布をまとった。(5節)>

「再びニネベへの派遣が命じられたヨナ。今度は素直に『主の命令通り』に従います。そしてニネベの町を一周しながら神の言葉を告げます。『あと、四十日すれば、ニネベの町は滅びる』と」と、高多牧師は書きだされる。

旧約聖書の中でヨナ書は「預言書」の一書と位置付けられているが、預言者自身の託宣はほとんど記されておらず、ヨナという預言者の行状記のような書で読みやすい。ある説では、この書についてバビロンからの帰還民によってユダヤ教が確立したが、やがてそれが偏狭な選民意識になっていった。ヨナの頑固さ自己正当化、異邦人差別、当時のユダヤ教に対する辛辣な批判の書だとされている。

主は再びヨナに「大いなる都ニネベに行って、私がお前に語る言葉を告げよ」と命じられる。ヨナは命令を受けて直ちにニネベに行った。ヨナはまず都に入り、歩きながら叫びそして言った。「あと、四十日すれば、ニネベの都は滅びる。」と。K牧師によると、原語ではたった8個の言葉であった。

ヨナがニネベで行なっているのは、全預言者の中で最も短い託宣であった。「ヨナは心のどこかでこのように告げ知らせたとしても、何も起こりはしないだろう、そう思っていたかもしれません。大国としての誇りと高ぶりは、そう簡単に崩れるものではない。それは私達もまた、思ってしまうものではないでしょうか。」と高多牧師は記される。

どうせ相手は異邦人、神の言葉になど耳を傾けないだろうと、しぶしぶヨナは「あと、四十日すれば、ニネベの都は滅びる。」と叫びまわった。その声に「するとニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者も低い者も粗布をまとった。」のである。このことが王に伝えられると「王は王座から立ち上がって王衣を脱ぎすて粗布をまとって・・・」ニネベの人々に断食を命じた。

神の御業は「最小限の努力で最大の効果を上げる」のである。人の目から見てどれほど回り道、遠回り、不経済、非効率に思えても、神はその御業を成し遂げられる。預言者なのに神から逃げ出し、その結果、海に放り出され魚にのまれ、異邦人の都ニネベで同じ言葉を繰り返すヨナ。しかし、命ある「言葉」は、自ずから生きて働いた。神はヨナを用いて、ご自分のご計画、御業をなされるのである。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「兄も吾も少年なりき馬瀬川に父に連れられ鮎釣りし夏  加藤武朗」


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