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ルカによる福音書 8章40~56節 [ルカによる福音書]

<イエスは言われた。「娘よ。あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。」(48節)>

「イエス様は群衆に囲まれながら移動しています。その時、12年間出血の止まらない女性が群衆に紛れてイエス様に触れ、癒しを受けました。実に12年、長血を患ったが故に奪われていた神との関係が回復した慰めの出来事でした。」と、阿部牧師は書き出される。

主イエスがゲラサ人の地からカペナウムに戻られると、主イエスを待っていた群衆は喜んで迎えた。そこに、会堂長ヤイロが来て主イエスの足もとにひれ伏し、一人娘が死にかけているので自分の家に来て下さるようにと願い出た。主イエスは彼の願いを聞き入れられた。

そこに行かれる途中も、大勢の群衆が主イエスの周りに押し迫っていた。その群衆の中に、12年間出血が止まらず、医者に全財産を使い果たしたが、誰からも治してもらえない女性がいた。彼女は主イエスに近づき、後ろから主イエスの服の房に触れた。12年間出血が続く彼女は、汚れた者とされ、ユダヤ人社会からはじき出され、人々から冷たい視線を浴び続けていた。

会堂長ヤイロが正面から主イエスに願い出たのとは対照的に、彼女は後ろから近寄り、群衆がヤイロの娘に心を向けている隙を見て、今こそ主イエスに近づく千載一遇の時だと決心し、必死に手を伸ばして主イエスの服の房に触れた。「房」は、主イエスと父なる神との祈りの交わりの象徴的なものであることを彼女は知っていた。「直ちに出血が止まった。(44節)」

主イエスは「誰かが私に触れた。私から力が出て行ったのを感じたのだ。」といわれた。女性はこれ以上隠し通せないと、震えながら進み出てひれ伏し、触れたわけとたちまち癒された次第をみんなの前で話した。「娘よ。あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。」と、主は言われた。

その時、ヤイロの娘が死んでしまったという知らせが入った。主イエスはこれを聞いて「恐れる事はない。ただ信じなさい。そうすれば娘は救われる(50節)」と会堂長に言われた。目の前にした、長血の女性の信仰に倣って、どんなときにも希望を見続けるようにと勧められる。

ヤイロの家で人々が泣き悲しんでいる中で主イエスは「泣くな。死んだのではない。眠っているのだ。(52節)」と言われた。そして娘の手を取り「娘よ、起きなさい。」と呼びかけられると、娘は、その霊が戻りすぐに起き上がった。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「時残しそれぞれ帰る娘らの家族のふくらみ門に送りぬ 山田信子」


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