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ルツ記 2章1~23節 [ルツ記]

<「主人が亡くなった後も、しゅうとめに尽くしたこと、両親と生まれ故郷を捨てて、全く見も知らぬ国に来たことなど、何もかも伝え聞いていました。どうか、主があなたの行いに豊かに報いてくださるように、イスラエルの神、主がその御翼のもとに逃れ来たあなたに十分に報いて下さるように。(11.12節)>

二人は帰郷したものの、生活の糧を得なければならなかったが、歳を重ねたやもめと、異邦人のやもめの働き口はなかった。帰った時期は「大麦の刈り入れ時」の4月頃、落穂拾いならすぐにできる。イスラエルでの落穂拾いというのは、貧しい人や異国人を救済する福祉策として、彼らのために落穂は集めてはならない、またぶどうの実を取り尽くしてはならないと、律法に定められていた。

「畑に行って見ます(2節)」モアブ人を畑の人たちは快く思うだろうか。好意を示してくれる、刈り入れをする農夫の後について「落穂を拾わせていただきます。」とルツはナオミに言うと出かけた。そこはたまたまナオミの夫エリメルク一族の有力者ボアズの所有する畑であった。ベツレヘムから来たボ゙アズは農夫たちの後について落穂拾いをしている娘が、噂で聞いていたナオミの嫁ルツであることを知った。

彼はルツに、よその畑で落穂ひろいをせずここにいて、他の女性たちと一緒にいるようにと言い、若者にはあなたの邪魔をしないように命じておこうと言い、のどが乾いたら彼らが汲んでおいた水を飲むようにと言った。

それを聞いたルツはひれ伏して「よそ者に、これほどの厚意を示されるのはなぜですか。」と尋ねた。「・・・イスラエルの神、主がその御翼のもとに逃れ来たあなたに十分報いて下さるように(12節)」と応えた。ルツは「はしための一人にも及ばぬこの私ですのに、心に触れる言葉をかけて頂いて。本当に慰められました。」と言った。

マタイ福音書1章「キリストの系図」の5節「サルモンはラハブによってボアズを、ボハズはルツによってオペドを、オペドはエッサイをエッサイはダビデ王をもうけた。」 ヨシュア記2章に登場する遊女ラハブはエリコに住むエモリ人であった。偶像崇拝するエモリ人を神は一掃されようとした。ある時、神の命を受けて遊女ラハブの宿に来たイスラエルの偵察隊を彼女はかくまう。神を恐れる心が彼女に宿っていたのだろう。

この行いによってエリコ陥落の後、彼女は救出され、イスラエルの民となり結婚し、ボアズが生まれた。ボアズの異教の国から来たルツへの心遣いはその出自が大きく影響していたのだろう。こうして、神の不思議は、異教の血を引くルツとボアズの2人は救い主の系図に名を連ねる事になった。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「背を屈め葡萄畑を進みつつ大人はすこし子供に戻る  朝野陽々」


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