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マルコによる福音書 14節53~65節 [マルコによる福音書]

<しかし、イエスは黙り続け何もお答えにならなかった。そこで、重ねて大祭司は尋ね、「お前はほむべき方の子、メシアなのか。」と言った。(61節)>

「主イエスは真夜中に、人間の公的な裁きの場に引き出されます。この裁判は、主イエスを有罪とする証拠を見出すための結論ありきの裁判でした。偽りの証人たちが立てられましたが、その証言は一致しません。彼らが主イエスについて証言をしている間も、主イエスは沈黙を貫かれました。」と、横井牧師は書きだされる。

深夜に非常招集された最高法院。ユダを買収し、闇に乗じて主イエスを捕らえたユダヤ教の指導者たちは急遽大祭司の館に集まった。最高法院は、ユダヤ人の自治機関。この時代には、大祭司を議長とする71人の議員で構成され行政と司法の権限を持つ。ユダヤ教の律法に関する最高法院として死刑の判決さえ下す権限を持つが、最終的にはローマの裁断を仰がなければならなかった。

「ペトロは遠く離れてイエスに従い、大祭司の屋敷の中庭まで入って、下役たちと一緒に座って、火にあたっていた。(54節)」 剣や棒をもって捕らえに来た人々に連行される主イエスを見て「弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまった(50節)」、しかしペトロだけは、秘かに後に従っていた。

大祭司を初めとする最高法院の全員は「死刑にするためイエスにとって不利な証言を求めたが、得られなかった。(55節)」 多くの者が次々と証言したが、偽証であるためその証言はすべて食い違っていた。そこで、大祭司は立ち上がり真ん中に進み出て、主イエスに尋ねた。「何も答えないのか。この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか(60節)」

それでも、沈黙を続けられる主イエスに苛立った大祭司は「お前はほむべき方の子、メシアなのか。」と、からかうように言った。その時、彼らの前に立つ主イエスの姿は栄光と賛美が献げられるには程遠かったからである。「イエスは言われた。『そうです。あなたたちは、人の子が全能の神の右に座り、天の雲に囲まれて来るのを見る』(62節)」

「主イエスは『そうです』と答えられます。この言葉は、旧約では『わたしはある』という神がご自身を示す時に用いられる言葉です。主イエスがご自身を神であることを示された時、人間は主に死刑の判決を下しました。罪が頂点に達しようとしています。」と横井牧師は結ばれる。

昨日ふらりと祈祷会に来た若者が牧師に「イースターって何ですか」と尋ねていた。

今日の短歌 短歌誌「塔」より

「『鍬の柄が緩まぬように漬けておけ』畑打ち前夜母は言いたり 別府紘」


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